米国でクチナシ青色素が使えるようになりました。

一次情報は以下の2つです。
FDA Approves Gardenia (Genipin) Blue Color Additive While Encouraging Faster Phase-Out of FD&C Red No. 3
(FDAはクチナシ(ゲニピン)青色着色料を承認、同時にFD&C赤色3号の段階的廃止を促進)

 FDAのニュースリリースです。FDAはアメリカ食品医薬品局 (U.S. Food and Drug Administration)の略称で、アメリカ合衆国の公衆衛生を守るために、食品、医薬品、医療機器、化粧品などの製品の安全性と有効性を確保する政府機関のことです。

Listing of Color Additives Exempt From Certification; Gardenia (Genipin) Blue
(認証免除の着色料リスト:クチナシ(ゲニピン)ブルー)

 Federal Registerに載った文書です。Federal Register(連邦官報)とは、アメリカ合衆国連邦政府の公式な日刊紙で、大統領令、連邦機関の規則・規則案・告示などが掲載される「日本の官報に相当する広報誌」です。なおここではメタノールの規格が6mg/kg(6ppm)以下となっていますが、これは300mg/kg(300ppm)以下である旨の修正文書が出されています。



クチナシ青色素は既に日本で広く使われている天然色素(既存添加物)ですが、今回米国で使えるようになったクチナシ青色素”Gardenia (Genipin) Blue”とは規格や使用できる食品に違いがあります。

 

比較項目 FDA(Gardenia (Genipin) Blue) 日本(食品添加物公定書:クチナシ青色素)
認可状況 2025年7月15日に、認証不要の色素(Exempt from Certification)として使用許可。(Federal Register) 既存添加物、食品添加物公定書に規格が収載されている。
使用食品カテゴリ 使用できる食品が限定されている(スポーツドリンク、フレーバー/強化ノンカーボン水、果汁飲料・エード類、RTD(飲料)、ハードキャンディ、ソフトキャンディ)(Federal Register) 使用できない食品(1.こんぶ類、食肉、豆類、野菜類、わかめ類(これらの加工食品は除く)。2.鮮魚介類(鯨肉は除く)、茶、のり類)を除き使用できる(清涼飲料水、菓子類、パン、乳製品、乾麺など)
製剤用キャリア 食品グレードのキャリア(デキストリンまたはマルトデキストリン)を混合し、スプレードライ粉末とする製造方法と指定。 デキストリンまたは乳糖を含む場合あり(第10版公定書による)。
純度規格

ゲニピン:5mg/kg(5ppm)以下
ゲニポシド:80mg/kg(80ppm)以下
メタノール:300mg/kg(300ppm)以下
鉛:2mg/kg(2ppm)以下
ヒ素:2mg/kg(2ppm)以下
水銀:1mg/kg(1pm)以下
カドミウム:1mg/kg(1ppm)以下

鉛:2ug/g(2ppm)以下
ヒ素:3ug/kg(3ppm)以下
メタノール:0.10%以下(色価50換算)
備考    

 

…米国規格の方が厳しめになっています。