着色料とは?食品に使われる理由と種類
古来から日本では栗きんとんの色付けにクチナシを、梅干しに赤しそを使うなど、食品に色を付けることが行われてきました。
食品に色をつける目的は、見た目の美しさだけではありません。
製品の品質の安定や消費者への安心感を与えるために、着色料は広く使われています。
実は、食品に色を付ける色素は法律的には「着色料」と定義されています。着色料は大きく次の2種類に分けられます。
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天然着色料(例:クチナシ色素、ベニバナ色素、クロロフィルなど)
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合成着色料(例:赤色40号、黄色5号など)
どちらも食品添加物として、厚生労働省が定めた法的基準のもとで使用されます。
※厳密には令和4年に消費者庁から出された「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」にて、「合成」「人工」「天然」といった用語表示は適切でないとの見解が出されていますが、本サイトでは植物由来の着色料に絞ったコンテンツであることが分かりやすいように一部「天然着色料」という文言を使っています。
日本における着色料の法的分類
着色料は「食品衛生法」に基づく食品添加物として扱われ、「指定添加物」「既存添加物」「一般飲食物添加物」に分けられます。
それぞれの違いを理解することは、着色料の使用ルールを正しく把握するうえで欠かせません。
指定添加物とは?
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食品添加物として使用するために個別に安全性評価を受け、厚生労働大臣の指定を受けた物質を指します。
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動物実験やヒト試験による安全性評価を経て、一日摂取許容量(ADI)が設定されています。
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使用基準(対象食品や使用量など)が厳密に定められています。
合成着色料や一部の天然色素でも、新規に利用される場合は指定添加物として申請・承認が必要になります。
指定添加物となっている着色料は、食用赤色40号や食用青色1号のような合成系の着色料や、βカロテン、リボフラビン(ビタミンB2)、銅クロロフィリンナトリウムのような一部の色素が該当します
既存添加物とは?
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1950年代以前から食品に使われており、長年の使用実績がある添加物を平成7年の食品衛生法が改正された際に、引き続き食品への使用ができるようにするために作られた枠組みが既存添加物となります。
- 特徴としては、指定添加物とは異なり、新たに申請して認可されたわけではなく、既に流通していたために例外的に認可されたものになります。
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所轄官庁である消費者庁が中心となり、随時既存添加物の規格策定が進められています。
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色素の場合では、クチナシ色素(赤、青、黄)、カラメル色素、スピルリナ色素など多くの植物由来の色素が既存添加物という位置づけになっています。
一般飲食物添加物
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もともとは食品として食べられており、かつ着色や甘味づけなどの目的で使われる物が一般飲食物添加物に該当します。
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色素については、アカキャベツ色素、アカダイコン色素、イカスミ色素など、また果汁や野菜ジュースも着色目的で使う場合は一般飲食物添加物になります。
- 1995年の食品衛生法改正の際に、指定添加物と既存添加物という枠組が作られましたが、その際に一つ問題が起きました。それは、アカキャベツや赤ダイコンなど、日常的に食べられているものを着色目的で使うときの扱いが不明確になるということです。
例えば、赤紫蘇の色を漬物で使う場合、これは目的が着色になるので本来は添加物の範疇に含まれるはずですが、指定添加物、既存添加物のどちらにも含まれていません。つまり添加物扱いにすべきところが添加物とみなされていないというグレーな状態となり、表示の問題など混乱を招くことになってしまいます。
更に、では赤紫蘇の色を添加物として明確化するためには、添加物として使えるようにするための申請を行政に対して行う必要がありますが、添加物申請にはかなりの手間、コスト、時間を要するため、中小規模のメーカーや個人経営の菓子店、漬物店などがそれを行うのは非現実的といえます。
こうしたトラブルを避けるために、食品として既に食べられており、安全性のリスクが少ないものについては一般飲食物添加物という枠組の中に収めて、その中で管理していくという形になりました。
既存添加物と一般飲食物添加物の違いとは?
例えばアカキャベツ色素は一般飲食物添加物ですが、その一方で紫サツマイモ色素は既存添加物です。植物由来の色素でこのような違いがあるのはなぜでしょうか?
この理由としては、既存添加物という枠組が作られた背景にあります。
上述しているように、1995年(平成7年)の食品衛生法改正により食品添加物の枠組が大きく変わりました。その中で、それまで使われていた天然由来の添加物のうち、一定の使用実績や安全性の知見があるものをまとめて、「既存添加物」としてリスト化しました。
そのリスト化に際しては、事業者などからの申請や届出に基づいて選定されたとされています。従ってその際に、「既に食品として利用されているから、あえて既存添加物に登録しなくてもよいのでは」などの判断で既存添加物として申請されなかったり、十分な使用実績がなかったものは既存添加物リストには載らなかったということになります。
参考リンク・資料
